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ROVO and System 7 東京公演に向けて、勝井祐二のメッセージです。

2013.11.23

ROVO and SYSTEM 7 Phoenix Rising tour 2013 at 新木場スタジオコースト


11月24日、日曜日。新木場スタジオコーストで「ROVO and SYSTEM 7」の東京公演が有ります。
9月に発表したROVOとSYSTEM 7の合同合体アルバム「Phoenix Rising LP」のリリースツアーの日本での最後の公演です。このライブの日が僕らにとってどれだけ大きな特別な意味を持っているのかという事を、改めて強く感じています。
このプロジェクト「ROVO and SYSTEM 7」は、2011年の東日本大震災の後に準備を始めて、SYSTEM 7と日本の僕らを結びつけた象徴でもある「火の鳥」の「再生」というテーマを日本と自分達の姿に重ねあわせて、「Phoenix Rising LP」という作品を作りました。
このツアーは既に名古屋と大阪の公演を終えました。今、僕はライブを通じて、日々彼らと共に過ごす時間を通じて、とても不思議な感覚を共有するように抱いています。それはとても彼らとシンクロして「同じものを観ている」という感覚なのです。2013年の今やるべき事にはっきりフォーカスが当たって観えていると感じています。多分、彼らも同様に感じているでしょう。
その「ROVO and SYSTEM 7」のツアーの、日本での集大成とも言えるライブが新木場スタジオコーストなのです。


ここに至るまでには長い時間とストーリーが有りました。


1991年「1991-1992 JAPAN-UK Festival」という、とても規模の大きい日英の文化交流博が有ったのです。ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館で行われたその中心展示「VISIONS of JAPAN」のサウンドディレクターを努めた僕は、短期間ですがロンドンに滞在していました。1991年のロンドンはセカンドサマーオブラブから続くダンスミュージック革命のまっ直中にあり、アシッドハウスからアンビエントハウス、ハードコアハウスと呼ばれる新しい音楽が次々に生まれている坩堝のような状態だったのです。ウェアハウスを借り切った「レイブパーティ」が全盛期を迎えようとしていました。もの凄い数の人々が思い思いの方向を向き、それぞれが全く自分のスタイルで一晩中踊り続けている姿に衝撃を受けて、ロンドンで僕は「レイブ」に通い詰めていました。帰国後、日本最初期のレイブパーティー「WATER」を始め、その後より肉体的なダンスミュージックの可能性をROVOというバンドで追求して行く事になります。


その1991年にSYSTEM 7は結成されました。
1992年にはThe Orbの「Blue Room」という曲に彼らは参加、この曲は40分の長尺ながら全英チャートNo1に上り詰めます。SYSTEM 7のスティーブ・ヒレッジとミケット・ジラウディーは70年代からGONG~Steve Hillage Band等で一貫してサイケデリック・ミュージックを追求して来た、僕の10代からのアイドルでした。その2人がこのダンスミュージック革命の最先端にいるという事が、自分の経験とシンクロして感じられて凄く刺激的だったのです。


一貫して自分達の音楽を、同時代の表現で追求している彼らSYSTEM 7の事はその後も常に気になっていました。
2002年「武尊祭」というパーティーで初めて、ROVOとSYSTEM 7はお互いの演奏を目撃します。そして2007年、手塚治虫さんの代表作「火の鳥」にインスパイアされたSYSTEM 7は「火の鳥」をテーマに「Phoenix」というアルバムを作ります。これが彼らと僕らが導かれるようにシンクロして行く出発点になりました。


2009年 GONG結成40周年記念アルバム「2032」に、2010年 SYSTEM 7「UP」に僕が参加。
2011年、お互いの曲をリミックス/カバーする試みを「Phoenix Rising EP」としてリリース。遂に彼らと合同で「ROVO × SYSTEM 7 Phoenix Rising tour」を京都京大西部講堂と東京O-EASTで行いました。
それから、本当の意味で2つのバンドが合体して「ROVO and SYSTEM 7」という1つのバンドになり、一緒に曲を作りアレンジして、一つのバンドとしてアルバム「Phoenix Rising LP」を作り、ツアーをするという準備に2年の時間をかけました。
そのツアーの日本公演の最終日が11月24日新木場スタジオコーストでの東京公演なのです。
2011年の「ROVO × SYSTEM 7」ツアーの時はそれぞれのバンドが別々にセットされて、それぞれの単独のライブの後にそのまま一緒に演奏するというセッティングの、3部構成でした。
今回の「ROVO and SYSTEM 7」は、8人で一つのバンドとしてあらかじめセッティングしています。その上でお互いのソロセットが有り、その後「Phoenix Rising」というプログラムに繋がって行く、一つの大きな流れのライブだと捉えています。
そしてここから台湾へ、2014年にはヨーロッパへ旅は続いて行きます。その流れの一つの大きなクライマックスに24日の新木場スタジオコーストのライブが位置づけられるように、祈りを込めて演奏しようと思っています。


勝井祐二(ROVO and SYSTEM 7)




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